ネタが行き詰まると、小ネタで繋ぎ繋ぎ。
ここを見てくれてる方は、常連さんだと思うので…。
今日の小ネタは水栄で。
それでは、見るという方は進んでください。
通常の日記はこの後に。
突然襲う感覚
音が遠のき、捉える視界はただの映像と化す
それには何も感じない
無機質
全てが無機質となる
そして訪れる不安
何かに急に胸の中を奪われたかのような空虚感が襲い来る
自分はこの世界に存在していないのではないかとの錯覚を受ける
恐い
漠然とした恐怖
言い知れぬ感覚
気持ち悪い
気持ち悪いんだ
「はぁっ、はぁっ・・・」
栄口は息も切れ切れに走った。
ただがむしゃらに、目的の場所を目指して走り続けた。
一軒の家の前で止まる。
息も整わぬまま玄関のチャイムを押した。
額から浮き出した汗が流れ落ちる。
それを拭おうとも、弾んだままの息を整えようともせず、扉が開かれるのを待った。
ガチャリと音を立てて、玄関の扉が開かれた。
「はーい」
開かれた隙間から間延びした声が漏れる。
「どちらさ・・・・・・っ!?」
開け放たれた扉から顔を出した水谷は栄口の姿を見るなり息を詰めた。
水谷の前に立つ栄口は、どこか切羽詰った表情で、今にも泣き出してしまいそうだった。
崩れる。
このままだと栄口は崩れる。水谷はそう感じた。
「栄口!どうしたの!」
水谷が手を伸ばし、その肩に触れる。
触れた肩がビクリと揺れた。
「あ・・・水谷・・・」
栄口の瞳が、今、初めて水谷を認識したかのように色を持つ。
「どうしたの?」
もう一度ゆっくりと問えば、栄口は一層顔を歪めた。
「水谷っ・・・」
「!?」
その時、栄口は水谷の胸に抱きついた。
突然のことに驚いた水谷は、動揺する。
ふと、自分の胸の中にいる栄口が小さく震えていることに気付いた。
動揺のため、意味もなく空を彷徨っていた腕を、栄口の頭にそっと置く。
幼子をなだめるように、優しくその頭を撫でた。
「大丈夫だよ。もう、大丈夫だから」
くり返しくり返し、囁くように言えば、栄口の身体から力が抜けていくのを感じた。
水谷もふっと息を漏らす。
柔らかくその身体を抱いた。
恐い
自分だけが存在しないのではないかという感覚が
足がすくんでしまう程に恐い
気持ち悪い
胸に空いた空虚感が
地に足が着いていないようで気持ち悪い
だから誰かに証明して欲しいんだ
自分は存在しているんだって
確かにここにいるってことを証明して欲しいんだ
※イエイ!意味不明!
小ネタが意味不明なのはいつものことなのでいっか。
栄口くんに感じさせたことは私がふと感じることですねー。
あ、決して崩れはしませんが。
なんというか、大勢の人ごみの中にいるとき、ふと「あれ?」って思いませんか?
そういう時、本当に音も視界も自分が捉えているものではなく感じるんです。
ただ流れるだけって感じ。
そんで、漠然と胸の中が空くんですよ。で、「あれ?自分って生きてる?」みたいな感覚を受けます。
ありませんか?(苦笑)
今日人ごみの中で感じたので、ちょっとネタにしてみました。
誰が一番合うかなと思った結果、栄口くんで。
だって、栄口くんって急に変な不安に襲われそうなんですもん。
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