前回書いた瑞海の続きです。
朝起きたらって感じで。
いや、本当、甘くしたいと思うと、海音寺が若干乙女になります。困ったもんだ。
つか、ここ書くくらいなら、サイトのメイン更新しなさいよって感じですよねぇ・・・。
通常日記はまた後程。
意識がふわりふわりと浮上する。
チュンチュンという鳥の声が朝であることを認識させた。
薄っすらと目を開ければ、朝日でぼんやりと光る見慣れた部屋を視界で捉える。
視界の隅に見える黒。
視線を下に向ければ自分に寄り添い、うずくまるように眠る海音寺が目に入った。
そうかと夜の出来事を思い出す。
思い出した途端全身に感じる体温を認識した。
それで自分がちゃんと宣言通り海音寺を抱きしめていたことに気付いた。
自分も中々に目の前の奴のことを好いてるんだなと自分に対して苦笑する。
海音寺の頭に鼻を寄せ、片手で頭を撫でる。
慈しむべき感触を確かに感じた。
「・・・ぅん」
くすぐったかったのか、海音寺が自分の下で身じろいだ。
それを気にも留めず頭を撫で続けていれば、頭が動き、顔が上を向く。
「瑞垣・・・?」
まだ夢と現の境をさまよっているのだろう、ぼんやりとした瞳のままぼそりとその名を呼ぶ。
「そうやでぇ。一希ちゃんの大切な俊二くんよ」
瑞垣の言葉に反応せず、海音寺はぼんやりとしたまま一点を見続ける。
いつもからは想像もつかないその様子に、こいつを慕うものが見たらどんな反応をするだろうかとその場を想像して、瑞垣は笑いを漏らした。
「あ・・・うん・・・おはよう」
目を擦りながら海音寺は呟いた。
その動作の間に髪を上げ額に軽くキスを送れば、顔を上げた海音寺から睨みつけられる。
「なにするんじゃ」
「何ってでこチューしただけやないか」
「朝からすんなそんなこと。恥ずかしい」
「朝やからするんやないか。おはようのキス」
言いながら目蓋の上にキスをすれば、海音寺が顔を背ける。
そのまま瑞垣の腕から抜け出し起き上がった。
ベッドから立ち上がろうとする海音寺の背に瑞垣が声を掛ける。
「なんや、可愛いくないやっちゃな」
「可愛くなくて結構。つか、俺男じゃし、可愛いとかおかしいじゃろ」
「そんなこと言って。ふふ、夜は可愛かったのになぁ。泣きながら、俺におらんくならんといてって言う一希ちゃんは最高やったで。どないしよ。俊二くん思わぬところでプロポーズされてもうたわ」
瑞垣のその言葉に立ち上がろうとした海音寺の動きが止まる。
眉間に皺を寄せ、訝しげに瑞垣の方を振り返った。
「瑞垣、寝言は寝て言えよ」
「はぁ?何言うとんのや」
からかってやろうと思っていたのに、海音寺の予想外の反応に瑞垣は軽く上半身を上げた。
「それはこっちの台詞じゃて」
眉根を寄せ、海音寺を見る。
「お前、覚えとらんのんか?」
「だから何が。瑞垣、まだ頭寝とるんと違うか?あ、もしくは夢と現実がごっちゃになっとるんじゃろ」
ははっと笑い、立ち上がる。振り返り、瑞垣を見下ろした。
その海音寺の笑いは完全に人をからかっているもので、瑞垣は軽く苛立ちを覚えた。
(こいつ、覚えとらんのやな)
覚えていないことに呆れと、残念さを感じながら瑞垣はベッドに沈み込んだ。
「瑞垣?」
疑問符を浮かべながら自分を覗き込む海音寺に溜息を送りながら、寝返りを打ち背を向けた。
ついでに布団を被りなおす。
「なんじゃ、まだ寝るんか」
「おーそうや」
「ふぅん」
その声と同時に、海音寺が帰る準備でもし始めたのだろう、ゴソゴソという音が聞こえ始めた。
目を閉じ、瑞垣は布団の中で深く溜息をつく。
すると、今度は徐々に笑いが込み上げてきた。
海音寺に気付かれないように、瑞垣はくっくっと喉の奥で笑った。
例え本人が覚えていなくとも、夜聞いた言葉は確かにやつの本心。それに違いはない。
本人自身は本心に気付いてないかもしれない。ならば気付かせるまで。気付かせて、自覚させる。
そして、攻めて、追い込んで、今度はしっかりと意識がある時に口にさせてやろう。
その時のことを考えるとおかしくてたまらない。
笑いが大きくなり、とうとう肩を震わせ笑っていると、背後から「気持ち悪い」との海音寺の声が聞こえた。
※なんとなく書きたかった前回の続き。
いつも以上に特に意味のないもので・・・。
これ書いたら、瑞垣が言葉で攻める時のことを書きたくなりました。
いつか書こうかな・・・。
いやしかし、相変わらず偽者で(苦笑)
目を通してくださった方、有難うございました!
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