今日の後輩との会話から、ふと思いついたもの。
特に楽しくはないかもしれません・・・。
ハロウィンネタ考える人すげーと思いました。
瑞垣も海音寺も偽者なのですよ。
普通にイチャつかせたかっただけです。
あー、あと1時間か・・・水栄ver.も考えるか・・・。
無理かな・・・(苦笑)
「瑞垣」
海音寺が本を読む瑞垣の前に座り、その名を呼んだ。
「何や」
呼ばれた本人は目を向けているものから視線を外さない。
それを気にも留めず、瑞垣の前に海音寺は手を差し出した。
「トリック・オア・トリート」
差し出された手と発された言葉を頭で結びつける。
瑞垣は本を閉じ、溜息をついた。
「お前はいつから英語圏内の人間になったんや」
「ノリ悪いなぁ。こういうもんは楽しんだもん勝ちじゃろ」
不満気な表情をしながら海音寺は手を引っ込めた。
それを冷めた眼で見る。
「ふーん。・・・そう言うんやったら、悪戯で」
「?」
「悪戯。お菓子か悪戯やろ?だから、悪戯」
「瑞垣、こういう時は普通お菓子を出すんじゃぞ」
「で、お菓子がなけりゃ悪戯なんやろ、普通」
「まぁ、そうなんじゃけど・・・」
確かにそうだと頭では理解したが、納得がいかないのか海音寺は不満気な声を漏らす。
それを見て瑞垣は薄笑いを浮かべた。
「さーて、一希くんはどんな悪戯してくるんかなぁ」
「それは・・・」
そこまで深く考えていなかった海音寺は視線を泳がせる。
「考えとらんかったんか?あーあ、甘いね海音寺は。言うならちゃんと考えとけや」
海音寺の考えの深さなどお見通しだと言いたげにふっと笑い、瑞垣は大げさに肩をすくませた。
「もうええよ。ただ言ってみたかっただけじゃし」
自分の負けを認めた海音寺はふいっと顔を背け、さっきまで自分が居た位置まで戻ろうと身体を反転させる。
「あっそ。なら・・・一希ちゃん」
自分に向けられた背に瑞垣は声を掛けた。
身体は戻さず顔だけ後ろに回す。
「なんじゃ」
「トリック・オア・トリート」
にこーっと所謂満面の笑みを浮かべて逆に今度は瑞垣が問うて来た。
「へ?」
その笑顔に海音寺は直感的に嫌な予感を覚える。
一瞬頭は正常に働かず、問われた意味を解さない。
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞ」
海音寺が動きを止めていると、瑞垣が丁寧にも語尾にハートマークをつけながら良い直してくれた。
「!・・・あ、確か・・・・・・っ!?」
そこでハッと我にかえった海音寺は自分のカバンの中に入っていたものを瞬時に思い出す。
取りに行くため膝立ちで移動しようとした瞬間、後ろから背を押された。
身体に力など入っていなかったため、予想外の衝撃に海音寺は床にそのまま突っ伏すことになる。
床にぶつかった衝撃に小さく唸っていると、今度は自分の腰の辺りに重圧を感じた。
まさか・・・と状況を判断するよりも早く、頭上から妙に弾んだ声が聞こえてきた。
「はい。時間切れー」
「時間切れってなんじゃ!・・・ちょっ・・・どけって!」
床に肘を付き自由に動く範囲で上半身を上げ、首を後ろに回して自分の上に乗っている人物を睨みつける。
それを完全無視し弾んだ声のまま瑞垣は続けた。
「お菓子をくれなかった一希ちゃんには悪戯をしまーす」
「アホ!お菓子ならある!カバン中に入っとる!」
逃れるため身体を捩らせようとするが、ただ乗っているだけのように見えて、しっかり押さえられた身体は動かない。
「ダメダメ。ちゃんとこの手に渡してくれなな」
「渡すも何もどいてくれな取りに行けんじゃろ!」
「だから、時間切れです」
「どけって!」
声を張り上げ言えば、腰だけに感じていた瑞垣の体温が、背中全体に広がる。
瑞垣が自身の手を床につき、海音寺の頭に顔を寄せた。
「海音寺」
海音寺は囁くように低く紡がれたその声を耳元で聞いた。
と、同時に嫌な予感が確信に変わり、血の気が引く音が聞こえた気がした。
「諦めて悪戯されろや」
肩を落とす。
行事を楽しむからと言ってこれから瑞垣に変な事は言うまいと海音寺は心に誓った。
※誰だよ、こいつら。・・・と言いたいのは管理人本人です。
たまには普通にイチャイチャさせても悪くないなぁと思った今日この頃。
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