喜怒哀楽がはっきりしているのも、誰とでも分け隔てなく接することができるのも、自然体で人と付き合えるのも、愛想が良いのも全てアイツの良いところだ。
奴のそういうところに惹かれ、信頼を置くものもいる。
だが気に食わない。
少なくとも俺は気に食わない。
あいつが喜怒哀楽をはっきり見せる相手は俺だけでいい。
あいつが自然体で付き合い、全てを見せる相手も俺だけでいい。
そして、何より、愛想を振りまく相手は俺だけでいいんだ。
俺のそういう気持ちを分かっていないのか、あいつは。
分かってないのだろう。だから余計腹が立つ。
「でな、門脇・・・」
昨日観たという野球の試合状況を話す海音寺。
時には身振り手振りを入れ、必死に話していた。
その瞳を見れば、話している本人がその話題に対し、どれだけ興味を持っているか分かる。
野球の話をする海音寺の瞳はキラキラと輝いていた。
海音寺と同じくらい瞳を輝かせ、話に耳を傾けるのは門脇。
大きく頷いて、時には相槌を入れながら、海音寺と二人、話に花を咲かせていた。
その二人の光景を一歩引いたところで見ていた瑞垣がすっと音も無く立ち上がる。
海音寺の真後ろに立ち、腕で顔を包み込むようにその身体を抱きしめた。
「・・・ぅおっ?なんじゃ、瑞垣?」
突然のことに驚いた海音寺は盛り上がっていた話を思わず止めた。
状況説明の為動いていた手が目的を失い、空を彷徨った。
海音寺と同様、門脇も突然の行動に理解が出来ず、小首を傾げ、瑞垣の顔を覗き込んだ。
「俊、どうしたんや」
「ここまでや」
ぼそりと紡がれる言葉。
それと同時に瑞垣は海音寺の身体を抱きしめたままの状態で己の方へさらにひっぱった。
その衝撃にバランスを崩した海音寺は、瑞垣にもたれかかる形となった。
「何がここまでやねん」
「そうじゃ、何がここまでなんじゃ。つか、前見えんのじゃけど」
自分の顔に巻かれた腕をトントンと叩く。
だが、その腕は一向に離れる様子を見せない。
「海音寺と話すのはここまで言うとるんや」
「なんでや。話、盛り上がってきたとこやないか」
「そうそう、これからなんじゃで」
離れる様子を見せない腕は諦め、顔を包まれたままで海音寺は会話を続ける。
「うっさい。ここまで言うたらここまでなんや」
「だからなんでや」
「やったら、これ以上一希ちゃんと話したかったら出すもん出せや」
「はぁ?」
「一希ちゃんの笑顔はどこぞのファーストフード店みたいに0円じゃないねん。
やで、出すもん出すんは当たり前やろ?お分かり?」
瑞垣によって視界をふさがれている海音寺ではあるが、その突拍子もない発言に、門脇と目を合わせた気がした。
楽しそうに話している姿を見たくないわけじゃない。
野球の話など吐き気がするが、楽しそうに話すその姿を見れるなら少しくらい我慢してやってもいいとも思う。
しかしだ、それはその視線が自分に向けられている時であって、自分でない他人にそれが向けられているなんてこと我慢できるわけがないだろ。
なんで俺がこんなことで悩まなくていけないのだ。バカバカしい。反吐が出るわ。
そうだ。全てこいつが悪いのだ。
日々無駄に発揮される感知能力はどうしてこういうところに使われないのだ。アホか。
もういい。分かってないのなら分からせるまで。
こいつと、こいつの周りの奴等に、こいつの相手は俺なのだと知らしめるだけだ。
「なんじゃ、瑞垣。構ってもらえんくって寂しかったんか?」
「俊は意外と寂しがりやからなぁ」
「うっさい!去ね!」
※はい。強制終了。
つまりあれですわ。・・・書き方忘れた。(最低)
あのですね・・・途中で収拾がつかなくなってきたんだぁ・・・。やで、ちょっと強引にもってきました。
でもまぁ、瑞が海を独り占めするような感じを書きたかっただけなのでいいです。
・・・しかし・・・全てにおいてすんません・・・。苦情はやめてください。
久々に書いたものに苦情が来たら、アタイのガラスのハートは粉々だぜ!!
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