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くだらないことをつらつらと書くと思われ。無駄に更新頻度高し。 色々、普通にネタバレもあると思います。

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2024-11-15-Fri 19:58:54 │EDIT
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小ネタ(瑞海)

2008-02-18-Mon 15:11:03 │EDIT
海音寺さんは別の人と付き合っていて、瑞垣が奪うみたいな感じの小ネタです。
書いてたら長くなりました。



痛いくらいに掴まれ、押さえつけられる腕。
抵抗しようと力を入れても抑えられた腕はピクリとも動かなかった。

瞬く間に唇が塞がれ、与えられる口付け。
酸素を得ようと自然開いた唇には舌が挿し込まれ、呼吸もままらない。
荒々しく、けれども己の快感を引き出そうとする口付けが頭の思考能力を奪う。

靄のかかる頭ままうっすらと目蓋を持ち上げれば、濡れている視界。
瞬間、無理矢理与えられる口付けにさえも、反応する自分が嫌に感じた。

濡れる視界の向こうには鋭い瞳。
熱を存分に含んだ瞳で己を捉える。

その熱が掴まれた腕から、塞がれた唇から、視線から伝わる。
酔わされる。熱に。見続けていたら完全に捉われてしまいそうで再び目蓋を強く閉じた。

それが合図だったかのように更に深くなる口付け。
抵抗も出来ず、快感を引き出される身体。
思考だけは奪われまいと寸でのところで繋ぎとめて、口付けが終わるのを待った。


「は・・・ぁっ・・・」

長い口付けから開放され、身体は先に酸素を欲した。
大きく呼吸をしていると、己の口から漏れる唾液を舐めとられる。
その動作は、口付けの荒々しさとは打って変わって柔らかなのに、どこか感じる冷たさ。
呼吸を整えていると、上からクスクスと笑い声が降ってきた。笑い声も動作と同じく、感情のない冷たいものだった。

「一希ちゃん、かーわいい」

クスクスとした笑い声が続く。
一度息を飲み込み、冷たい笑い声を降らし続ける相手を海音寺は下から睨みつけた。

「瑞垣・・・何を・・・」

するんだと言おうとした海音寺の言葉が止まる。
海音寺は思わず息を呑んだ。ゴクリと喉が大きく上下する。
冷たい笑い声の後は、ひどく冷たい視線。感情を一切含まず、自分を捉えるためだけに送られる視線。
その冷たさに絡み取られるように、視線を外すことが出来なかった。
深い口付けで高められた熱が、一瞬にして引いていく。
恐い。
その単語が海音寺の頭をよぎった。

「何って、今更やろ。海音寺は慣れとることやないか。アイツといつもしとるんやろ」

いつもより低い声音で話す瑞垣の声が、"アイツ"の部分で更に下がる。
自分を通して"アイツ"を見た瑞垣の視線。一瞬自分から視線が外されたのを見逃さず、海音寺は視線を逸らした。
自分の動揺を悟られないように、大きく呼吸をし、心を落ち着かせた。
落ち着かせれば感じる腕の鈍い痛み。
強く掴まれたままの腕は、一部は麻痺したように感覚がなくなり始めていた。
意を決し、瞳に力を込めて視線を元に戻す。
視線の先には相変わらず感情のない冷たな瞳が己を見下ろしていた。

「ふざけんな。何言うとるんじゃ。腕、離せよ。・・・ぃ・・・ッ!」

言葉を否定するかのように更に強く握りこまれる腕。
その痛みに海音寺は顔を歪ませた。
瑞垣の空気が変わる。見れば、口だけ弧を描かせ冷ややかな笑みを浮かべていた。

「ええ眺めやなぁ。癖んなるな、これは。こんなええ眺めをいつも見れるんがアイツだけってのはもったいないわ」
「瑞垣ええ加減にせぇ。冗談でもやっていいことといかんことがあるんじゃ。この冗談はキツイで」

弧を描いていた唇が元へと戻る。

「冗談?これが冗談やと思っとったんか?一希ちゃんが喜ぶようなキスしたったのに失礼ってもんやで、それは」

空気も動かない程の静かな動作で瑞垣が動く。
顔を息がかかるくらい海音寺へと近づけた。
近づくことで深く絡まる視線。貫くように瑞垣は海音寺の瞳を覗き込む。それを海音寺は逃げることも避けることもせず、真正面から受け止めた。
瑞垣の瞳に一つの熱が生まれる。それは隠された、瞳を捉え続けることでしか見つけることのできない瑞垣の本心。
密やかに、けれど強く、瑞垣の意思を含ませた熱が、瞳の奥の奥で燃え上がる。

「冗談やないで?俺は本気や」

囁くように呟かれたその言葉にも、瑞垣の中の熱と意思が含まれていた。
それだけで分かる。
瑞垣は冗談なんかではない。言葉の通り本気だ。

それならば

それならば逃げてはいけない。本気の相手から逃げてはいけない。
相手が本気なら、こちらも本気で向き合うまで。

海音寺はより強く瞳に力を込め、瑞垣を見据えた。

「本気ならもう一度ハッキリ言ったる。言うたやろ?俺は瑞垣の気持ちには答えられんって」
「そんなん、なんべん言われんでも知っとるわ」
「じゃったら・・・」
「どうにでもなるんやで?」

海音寺の言葉が瑞垣によって遮られる。
そこから僅かな瑞垣の態度の変化を感じ取り、海音寺は深く眉間に皺を作った。

「何?」

そんな海音寺に気分を良くしたのか、瑞垣の唇が再び弧を描く。
まぶしそうに目を細め、綺麗な笑みを作り上げた。
常ならば感情や温度が含まるその笑み。おそらく見惚れてしまう程の鮮やかさ。
だが今はその笑みに一切の感情や温度を感じない。
ただ単に顔に貼り付けられただけのもの。

「海音寺にええこと教えたるわ」

瑞垣が顔を上げる。
顔が離されたことによって視界がひらけた。
海音寺は瑞垣越しに見慣れない天井を視界に入れた。
押さえつけられていた腕から重圧が消える。
血液が指の先まで血管の中を巡るのを感じた。
海音寺の腕を解放した手が空を切る。
流れるように空を切る手がその流れのままふわりと海音寺の頬に添えられた。

「海音寺な、俺の気持ちには答えられん言うてアイツと付き合っとるんやろ?」

瑞垣の長い指が頬を滑る。
海音寺の首筋を通り、服でギリギリ隠れる位置、海音寺に付けられた赤く主張する所有権の証に指を添えた。

「これ。ここに付けたんもアイツか?」

付けられた証を円を描くようになぞる。
何度も繰り返されるその指の動きにむず痒さを感じ、海音寺は僅かに身を捩った。

「仲ええんやなぁ」

言いながら瑞垣が海音寺の首筋へ顔を埋める。
先ほどまで指が触れていた箇所にぬるりとした温かな感触が与えられる。
なんとも言えぬ感覚が背筋を走り、海音寺は息をつめ、目蓋を閉じた。
自分の首筋に顔を埋める身をはがそうと、瑞垣の肩に手を添えたとき、鋭い痛みが身体を走る。

「・・・っ!」

瑞垣は付けられた証に歯を立てた。
見れば鮮やかな赤が盛り上がる。
瑞垣はその赤に目を細めた。
付けられた証を消すように盛り上がる赤。新しく生まれた所有権の証。
愛しく愛しく感じるその赤に瑞垣は舌を這わした。
慈しむようにゆっくりと舐め上げる。何度も何度も同じように瑞垣は繰り返した。

「瑞・・・ぁ・・・」

傷口から身体にじわりと浸透し、頭から足の指先まで走る感覚に、海音寺は大きく息をつく。
ジクジクとした痺れが全身を巡り、思考に靄がかかる頃、瑞垣が埋めていた首筋から顔を上げた。

「海音寺。気持ちなんてどうとでもなるんや」

ぼやける思考。
靄が無くなるのを待ちながら海音寺は瑞垣を見た。
ふっと息をつき、瑞垣が笑う。

「気持ちなんて後からでもええってことや」

突然紡がれる言葉の意味が理解出来ず、海音寺は眉を寄せる。
クスクスと密やかに声をあげ、瑞垣が笑い始めた。

「ええ顔。意味分からんって顔やな」

言い終わると同時に笑みを引込める。
まるで酒に酔わされているかのように潤む瞳。艶を含む表情で瑞垣は海音寺を眺めた。

「今な、海音寺の心と身体はアイツのもんなんやろ?」

幼子に問いかけるように、柔らかな声で瑞垣は言った。

「その所為で、今、海音寺の心を手に入れることが出来んのよ俺は」

海音寺の髪に手が差し込まれる。
ふわりと頭を撫で、髪を梳いていく。
そのまま手は頬に落ち、添えられ、撫で上げた。

「やで、身体から貰おう思うて」

瑞垣の言葉に海音寺は自分の耳を疑った。
目を見開き、瑞垣を見る。
そんな海音寺の態度を気にも留めず、瑞垣は言葉を続けた。

「まず身体から、身体だけでもアイツから奪ったる。心はその後や」

優しく発せられていた声音が幾分下がる。
声音に熱と意思が込められ静かに力強く発せられた。

「そんなこと・・・」
「できん言いたいんか?ふふ、海音寺はまだ甘いな」

一呼吸置き、瑞垣が海音寺との距離をつめた。
耳に唇を寄せ、囁く。

「今言うたばっかやろ?聞いとらんかったんか?・・・人の気持ちなんてな、どうとでもなるんや。変えることも崩すことも簡単に出来る」

言葉を切り、海音寺の耳朶を口に含んだ。
聴覚から犯すように音を立て舐め、甘噛みをする。
海音寺は与えられる感覚に身を震わせた。
今すぐ離れなくてはいけないと思うのに、抑えられ、与えられる感覚に惑わされる身体は思うように動かない。
瑞垣の息が耳を通り、聴覚が犯されていく。
犯されていく身体は顔も、指先さえも動かすことが出来なくなっていった。

「そんな方法、いくらでもあるんやで?」

手探りに彷徨った腕が海音寺の腕を再び掴んだ。
最小限の力で海音寺を押さえつける。
耳元にあった唇が額に移動する。羽のように軽いキスを一つ、瑞垣は落とした。

「やで、身体を先に貰うで?恐がらんでもええよ。大人しゅうしとってくれたら最高に気持ちようさせたるから」

唇がゆっくりと下へ移動し、海音寺の唇に触れるギリギリのところで止まった。
ギリっと腕が強く握られる。強い力で身体が押さえつけられた。

「アイツを忘れるくらい、俺を刻んだる」

言い終わると同時に塞がれた唇。絡められる指。身体を這う手。奪われる思考。引き出される快感。高まる身体の熱。
流されていく意識の中、頭に浮かんだ想い人に涙が込み上げる。
快感からの生理的な涙か、想い人を想ってか分からないその涙が海音寺の頬を伝った。









※あー・・・なんだこの長さは・・・。
そしてやっちゃいましたね・・・。
言い訳は長くなるので却下します。
でも一つだけ。
瑞垣が「アイツ」と呼ぶ相手、海音寺とそういう関係になってる人物はお好きな人をご想像ください。
私の中では門脇です。瑞垣が一番悔しがりそうな相手なので。
んと、これ、ちゃんと前に話をつけて、もう少し瑞垣視点を強めて、メインにしようかなと書いてる途中に思いました。
けど、『恋の闇』と被るかな・・・?どうしよう・・・。
どうでもいいですが、私にボキャブラリーをください。少なすぎだ!

とにもかくにも、ここまで目を通してくださり有難うございました!


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